クラゲは何体ものクラゲが “合体” して一匹になる

Rudy and Peter SkitteriansによるPixabayからの画像

海の中をフヨフヨと漂うクラゲ。
どこか神秘的な雰囲気を漂わせる姿であるが、彼らには他の生物とは大きく違う特徴がある。
それは、たくさんのクラゲが合体して1匹のクラゲを形成している事である。

クラゲが出会うまで・・・。

Markus KammermannによるPixabayからの画像

クラゲはたくさんのクラゲ合体した姿をしている。合体とは文字通り一体化であり、つまりクラゲというのはもともとバラバラの小さな個体だったのである。
この事実を説明するためにまずはクラゲの生物サイクルをご紹介しよう。
クラゲの始まりは卵である。オスが水中に放出した生死をメスが体内に取り込んで受精させた後、触手を使って岩にへばりついては卵を産み付ける。

その個数はおよそ6万個にもなる。

Carol-Ann BussièresによるPixabayからの画像

そして卵から孵ったクラゲはポリプと呼ばれるイソギンチャクに似た姿に変わって岩にへばりつき、海中のプランクトンを取り込んでどんどん成長する。

そうして大きくなるとやがてエフィラと呼ばれる花びらのような姿に変わって、みんなで一斉に元気よく海中へと飛び出す。

イメージ図


海中へ出た後にまずやることが仲間探しである。
クラゲは仲間の放出するフェロモンである"プロスタグランジンF3β(PGF3β)" を感知して、体の向きを巧みに変え、仲間の方へと向かっていく。数万体のクラゲが一斉に卵から孵るのだが、遊泳能力の低いクラゲの赤ちゃんにとって流れのある海中で仲間と出会うことはなかなか一苦労である。

だが出会えなければ、魚や海生生物に食べられる未来が待つのみであり、そのためクラゲも必死に泳ぐ。
そうして運の良いクラゲ同士がようやく出会うことができる。

ivabalkによるPixabayからの画像

クラゲの合体!

クラゲには動物のような血管が通っていないが、代わりに動きに関わる散在神経と栄養を運ぶ水管が身体中に張り巡らされている。

出会ったクラゲ同士はまずこの身体中に張り巡らされた散在神経と水管をお互いに繋ぎ合う。さらに身体を開閉させる規則的な動きまでも同調する。

つまり、一体化するのである。

そうして最優先で口を形作る。栄養を外部から取り込むためである。そのまま続々とクラゲ同士が結びつけば、次に傘の部分を作り、さらに触手と、順番に身体をつくっていく。不思議なことに結びついたクラゲはそれぞれ役割分担をしているかのように身体の形を変えて自然と部位が作られていく。傘になるクラゲは平べったくなり、触手を作るクラゲは薄く伸びて触手に姿を変えるのである。

この変身について、一説ではクラゲ同士が結びついた際のお互いの位置関係で決まるとされているが確かなことはわかっていない。
こうして、クラゲが合体と変身を繰り返すことで、我々がよく見る"クラゲ" が完成するのである。

Suyash DixitによるPixabayからの画像

ちなみに身体が完成するまでに合体するクラゲの個体数は平均で300匹と言われている。

なぜ合体するのか?

クラゲが合体する理由は非常に単純である。

生存率向上のためである。

クラゲの身体は柔らかく遊泳力も低いために、幼生の頃は水生生物たちの格好の餌となる。そこでクラゲはいち早く成長するために、合体する戦略を選んだのである。

生物がお互いに支え合うことはある。(参考記事:木の根は全て繋がっている。互いに支え合う森の生存戦略)しかし合体するのは珍しい。

これに似た生存戦略を “カツオノエボシ" も行っている。"カツオノエボシ" は無性生殖で一匹から分裂して増えていくところがクラゲとは少し異なる部分である。

いずれにしても役割分担を行うことは立派な生存戦略と言える。

Manja WiepckeによるPixabayからの画像

専門者の見解

クラゲの生存戦略についてクラゲ研究の第一人者であるシダール大学(ロシア)のサンヘル教授は次のように語る。

合体というのは非常にユニークな戦略で興味深いですよね。クラゲは他にも、どうやって体内に栄養を循環させているのか分かっていなかったりと、なかなか面白い生物と言えます。

サンヘル教授

クラゲは海の神秘である。

※この記事には架空の内容が多く含まれています※

水中生物水中生物

Posted by ずぅ