スズメバチは幼虫の餌に毒を混ぜる!?スズメバチが毒を獲得するまでの驚きの過程

2022年7月25日

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交互に走る黒とオレンジの警戒模様や空気に響く大きな羽音が特徴的なスズメバチ。
彼らの最大の武器は何と言っても獲物に打ち込む毒針である。その威力は抜群で2019年には野生動物の中で最も多くの日本人を殺した生物にも輝いた。
ではスズメバチは、一体どのようにして毒を獲得していくのだろうか。それは幼虫時代の驚きの食事が関係していた。

毒入り肉団子

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スズメバチは生まれながらに毒を持っているわけではない。毒の獲得に大きく関わってくるのは食事である。
スズメバチの幼虫が餌として主に食べるのは成虫から与えられる肉団子である。
この肉団子に秘密がある。
主な材料はバッタやイモムシなどの昆虫であるが、ここにさらに成虫の持つ毒が含まれてくる。成虫は昆虫を捕まえて一旦肉団子を作ると、その中にお尻の先の毒針を差し込んで数マイクロリットル(1mlは1000マイクロリットル)微量な毒を注入するのである。
この行為にはいくつかの理由がある。
1つは幼虫が成虫に羽化した時に毒を武器として使えるようにするためである。

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具体的には、幼虫の頃から食事を通して少しずつ毒を摂取していくことで幼虫の体内に毒の成分が取り込まれていき、(参考記事:ウミウシは牛みたいに鳴く) 蛹になった段階で体内の毒に対する反応により毒嚢と毒腺、毒針が発達し、成虫になると凶悪な武器として使えるようになる。
そのため卵から生まれたての若齢幼虫と、孵化してから二週間ほど経った終齢幼虫を生で食べ比べると、終齢幼虫の方がクリーミーな味わいの中にピリピリと痺れるような舌触りをはっきりと感じられる。これは体内に溜まった毒によるものである。
また、成虫が折角作った肉団子を他の昆虫に奪われないための工夫でもある。

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というのも、肉団子を運んでいるときのスズメバチは、肉団子の分の重さが増えて平常時よりも機動力が大きく下がり、オニヤンマやカマキリと言った天敵に狙われやすくなる。そしてもし天敵に襲われた場合、成虫は肉団子を躊躇なくその場に落として体を軽くするという方法を取る。
だが肉団子を諦めたわけではない。
なぜならば肉団子に含まれる毒により大抵の昆虫は肉団子を避けるし、毒成分であるヒスタミンやセロトニンをはじめとしたアミン類が独特の芳香を放って目印となるので、後で戻ってきて容易に回収する事が可能なのである。

研究者の見解

ドイツのルツブルク大学で約20年にわたってスズメバチを研究してきた生物学者のマルゲン・トウツは蜂について次のように語る。

スズメバチが肉団子に毒を混ぜるのは合理的です。またスズメバチの毒に含まれる成分は幼虫の成長を促進する効果も持ち合わせています。

マルゲン氏

スズメバチは毒を制す。

※この記事には架空の内容が多く含まれています※

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Posted by ずぅ